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日本の財政から投資の必要性が見えてくる① ~投資とお金について~
2018/02/05

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概要
  • 投資は必要か、その答えは「お金を増やす必要があるか」と「お金の額面と価値どちらが大事か」によって変わってきます。
  • 投資は「お金を増やすために行うもの」でありますが、それと同時に、「お金の価値を減らさないために必要なもの」でもあるのです。
  • お金の価値は、モノやサービスとの交換比率、つまりモノやサービスの値段によって変わります。モノの値段が変わるということは、モノを手に入れる対価としての「お金の価値」も変わるということです。



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投資は必要か

投資は必要か、その答えは「お金を増やす必要があるか」と「お金の額面と価値どちらが大事か」によって変わってきます。今の日本は、高度経済成長時代と異なり、人口減少と少子高齢化とともに低成長時代に入りました。実際、低成長時代に入ったことで日本人の平均世帯所得は減少傾向にあります。更に、日本は国(政府)の財政悪化と社会の高齢化によって税負担・社会保険料負担が増え、個人の手取り収入(可処分所得)が減っています。手取り収入の不足を補うためには、何とかして貯めてきたお金を増やし、減った分を補っていかなくてはなりません。かつては銀行に預けておくだけで8%の金利がついた時代がありました(1974年の郵便貯金の金利は8%)。2018年現在、同じ郵便貯金の金利は0.01%まで低下しています。日本人が「預金」でお金を増やせる時代は終わったのです。なかなかお金が増えない低金利の預金では不十分であり、お金を増やすためには別の方法を考える必要があります。それが投資です。

お金の額面と価値

一方で「金利が低くても、少なくとも元本が減るわけではないのだから、預金で十分ではないか」と考える方もいらっしゃいます。その「元本」とは「お金の額面」のことでしょうか、それとも「お金の価値」でしょうか。大卒初任給が月給100円だった時代の給料1ヶ月分の100円が、100円を下回らなければ良いと考えるなら、それは「お金の額面を重視する」ということです。大卒初任給の平均が20万円になったのだから当時の100円は20万円になっていなければならないと考えるなら、それは「お金の価値」を重視するということです。お金の価値は、モノやサービスとの交換比率、つまりモノやサービスの値段によって変わります。そして、モノやサービスの値段というのは「買いたい人(需要)」と「売りたい人(供給)」のバランスで決まります。モノの値段が変わるということは、裏を返せば、モノを手に入れる対価としての「お金の価値」も変わるということです。

お金の価値を守るための投資

よく耳にするインフレというのは、モノの値段が上がり、お金の価値が下がる現象です。日本は実質成長率が低い状態で、毎年2%のインフレを目指しています。今100万円の車は前年比2%インフレが5年続くと、110万円になります。100万円を5年間預金においたままでは110万円に届かず、5年後同じ車を購入することができなくなります。「100万円が100万円であればいい」とお金の額面を重視するだけでは、モノを買う力を維持できません。投資は「お金を増やすために行うもの」でありますが、それと同時に、「お金の価値を減らさないために必要なもの」でもあるのです。


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