Pictet Theatre LIVE(2020.11.26 Thu.)

Title
BASE~投資の基本~ 債券編②

Overview/Agenda

Pictet Theatre LIVEは、経験豊富な投資のプロが語る最新情報を、オンライン・オフライン両方でご提供するハイブリッド型資産運用セミナーです。※現在はオンライン配信のみとなっております。

資産運⽤コンサルティング本部⻑ 北根 久之よりなど、実際のマーケットを説明できることを目的に、わかりやすく資産運用の基礎を解説するセミナーです。

投資の基礎知識を学んで始めてみようという方や、本などで学んだ内容と実際のマーケットとの矛盾を感じている投資の経験が方もぜひご覧ください。


視聴者のみなさまから頂いたご質問について、スピーカーがお答えさせていただいております。
なお、すべてのご質問にお答えできない場合もございますことを何卒ご了承ください。

(注1)お客さまからいただきましたご質問ついては、ご質問が多かったものを中心に掲載しております。
(注2)特に記載のない場合、ご質問への回答は本FAQの掲載日時点の見解です

債券型ファンドと一口に言っても、多種多様なファンドが存在しますので一概に申し上げることはできませんが、債券市場全体の利回りは、過去30年以上にわたって低下し続けてきており、利回り水準の低下に伴って各債券の期待リターンは総じて低下傾向にあります。債券ファンドに投資するご予定の方やご検討中の方、あるいは現在保有していらっしゃる方は、現在の利回りと信託報酬等のコストを比較、ご確認されてみることをおすすめします。利回りは直接利回りではなく最終利回りを見るようにしてください。例えば組入れ債券の最終利回りが-0.5%で、信託報酬等のコストが1%であれば、利息収入(インカムゲイン)からコストを差し引くと-1.5%となり、債券利回りが更に低下することで債券の値上がり益(キャピタルゲイン)が発生するか、為替リスクをとっていて為替差益が発生するなど他のリターンが得られない限り、1年後のリターンはマイナスになってしまいます。

また、ご指摘のように、バランスファンドの中には国債を中心とした債券の組入れ比率が非常に高いものもあります。これまではそのアプローチは効果的でした。かつての債券利回りは非常に高く、利息収入(インカムゲイン)がたくさん得られて、更に利回りが低下してくることで債券の値上がり益(キャピタルゲイン)も得られたため、これまでの債券のリターンは素晴らしいものとなっていました。一方でリスクは株式などと比べて低いため、リスクを分散させながら、安定的に運用するためには債券比率を高くする手法が有効でした。しかしながら、債券利回りが異常なほど低下してしまった現在から未来への投資において、過去のリターンの再現性は非常に低くなると考えられます。むしろ、債券比率が非常に高いと、リスクとリターンのバランスが悪くなり、リスク要因の分散ができないことなどが懸念されます。

「大丈夫」という言葉はとても曖昧で、「大丈夫ですか?」というご質問に容易にYESとはお答えしにくいので、通貨分散をどのように考えればよいのかということをお話ししたいと思います。

ポートフォリオを組む時に、株と債券などの資産間の分散を考えるのはもちろんですが、ポートフォリオの通貨配分を考えることもとても重要です。なぜなら、投資先の通貨の変動は、ちょっとしたリターンを吹き飛ばしてしまうほど大きくなり得るからです。もちろん、日本円の価値も物価に対して変化し、外国通貨に対しても変わります。長期間運用していく間には、現在の半分以下の価値になってしまう通貨もあるかもしれませんし、新興国通貨の中には10分の1とかそれ以下の価値になってしまう通貨もあるかもしれません*1。

通貨の価値は発行国の中央銀行の信用力や物価、金融・財政政策、経済状態、国際収支、外国為替取引の需給などによって変動します。特定の国のこれらの事情によってポートフォリオの価値が大きく左右されないようにするためには通貨分散をすることが重要です。もし、通貨の取引量の規模に応じた配分(2020年11月30日)にするなら、米ドルが44.2%、ユーロが16.1%、日本円が8.4%、英ポンドが6.4%、豪ドルが3.4%になりますし、資産ベースの配分を考えた時に、たとえば世界全体の株式に広く分散投資することにして通貨配分もそれに応じたもので良しとするという考え方もあるでしょう。また、金利は通貨によって異なりますので、各通貨の金利を考慮するアプローチもありますが、主要国金利が大きく低下してきたことで為替リスクを考慮すると有意な差はなくなってきました。むしろ、金利を生まないものの、「金」が無国籍通貨として魅力が増してきたことを踏まえると、通貨配分を考えるうえで金が欠かせないパーツの1つ考えられます。こうしたことを踏まえて、ご自身のポートフォリオの最適な通貨配分をご検討されるとよいかと思います。

 

*1

現在(2020年11月30日)のトルコリラは1トルコリラ=13.20円ですが、40年前の1980年3月末のトルコリラは1トルコリラ=2,500,000.00円です。1ブラジルレアルは1992年12月末に190,000.00円でしたが、現在19.44円になっていますし、1豪ドルも1974年1月末に443.67円でしたが、現在76.73円になっています。

*2

出所:BIS

 

 


Speaker

北根 久之
ピクテ・ジャパン株式会社
資産運⽤コンサルティング本部⻑

都市銀行及び外資系銀行、外資系運用会社にて投資信託の商品開発、商品選定、販売などの業務を幅広く経験。2007年12月ピクテ入社。ピクテでは新商品開発とプロダクト・マネジメントを担当後、フィールド・マーケティング部にて勉強会やセミナーの講師を務め、2015年より資産運用推進室長、2018年より資産運用推進部長。2019年からは資産運⽤コンサルティング本部⻑として、⾦融機関が顧客本位の業務運営を⾏うためのコンサルティングと投資教育を担う資産運用推進部と、投資情報発信を担う投資情報部を管掌。



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