Article Title
バイオ|インフレ抑制法に基づく対象品目の薬価削減率は予想よりも小幅にとどまる
2024/09/19

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

●2024年8月にインフレ抑制法に基づく最初の対象処方薬10品目の交渉薬価が発表され、削減率は予想よりも小幅にとどまる
●メディケアと製薬会社の薬価交渉の対象品目は今後も追加される



Article Body Text

インフレ抑制法に基づく米国の公的医療保険メディケアと製薬会社の価格交渉対象処方薬10品目の交渉薬価が発表され、削減率は予想よりも小幅にとどまる

2024年8月15日、米国バイデン政権はインフレ抑制法に基づき、公的医療保険メディケアと製薬会社による薬価引き下げ交渉の最初の対象となっていた処方薬10品目の交渉薬価(2026年から適用)が発表されました。 注:65歳以上の高齢者や特定の障害のある人などを対象とした連邦医療保険プログラム

今回、発表された10品目の交渉薬価の定価からの削減率は38%~79%で、一見、大きな削減率に見えますが、現時点でも卸売業者や販売業者を通じたリベートや割引などにより、実質的に取引される価格は定価よりも値引きされており、このような状況を勘案すると、実質的な削減率は22%となります。

なお、市場では削減率は25%程度になると予想していたことから、実質22%で抑えられたことは製薬企業とメディケアの交渉が協力的に行われた可能性を示しており、好意的に受け止められています。

 

メディケアと製薬会社の薬価交渉の対象品目は今後も追加される

2022年に成立したインフレ抑制法により、これまで禁止されていたメディケアによる製薬会社との医薬品の価格交渉が認められるようになり、薬価交渉が段階的に進められるようにタイムラインが設定されています(図表1参照)。

タイムラインによると、今回発表された2026年適用開始の処方薬10品目の後は、2025年11月末までに2027年適用開始の「メディケア・パートD」対象処方薬15品目、 2026年11月末までに2028年適用開始の「メディケア・パートB及びD」対象処方薬15品目、2027年11月末までに2029年適用開始の「メディケア・パートB及びD」対象処方薬20品目の交渉薬価が公表されることになっています。2028年以降は毎年、「メディケア・パートB及びD」対象処方薬20品目が追加される予定です。

メディケアと製薬会社による薬価交渉は今後も継続し、対象となる処方薬が追加されるため、製薬会社は長期的に影響を受ける可能性はあります。また今回、発表された初めの処方薬10品目については、既に承認を受けて長期間経過している処方薬のため、既に割引で販売されていることから、価格交渉といった面では、これからの交渉がどのように進むのかがより重要との見方もあり、注視していく必要があると考えます。

ただし、今回、発表された交渉薬価が予想よりも小幅な削減率にとどまったことで、市場の注目はバイオ医薬品株式市場全体では金融政策やマクロ経済の動向に、企業ごとでは新薬候補(パイプライン)や決算などに集まるものとみています。

 

 



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。また、医薬品についてもあくまで参考として紹介したものであり、その医薬品を推奨するものではありません。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)為替ヘッジなしコース

ピクテ・バイオ医薬品ファンド(1年決算型)円コース



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2024/10/30
タイトル バイオ|2024年7-9月のピクテ・バイオ医薬品ファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/09/30
タイトル バイオ|米国大統領選挙迫る、バイオ医薬品株式への影響と過去のパフォーマンスの振り返り タグ
日付
2024/08/30
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年4-6月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/07/29
タイトル バイオ|2024年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/05/31
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2024年1-3月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/05/02
タイトル バイオ|2024年1-3月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2024/03/22
タイトル バイオ|主要バイオ医薬品企業の2023年10-12月期決算と注目ポイント タグ
日付
2024/02/06
タイトル バイオ|2023年10-12月のピクテ・バイオ医薬品マザーファ ンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/12/27
タイトル バイオ|主要なバイオ医薬品企業の状況 タグ
日付
2023/12/22
タイトル バイオ|2023年のバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの総額は1,200億米ドルに迫る タグ
日付
2023/11/28
タイトル バイオ|バイオ医薬品企業の注目の治療薬候補(パイプライン)の2023年の開発と承認の動向 タグ
日付
2023/10/27
タイトル バイオ|2023年7-9月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/10/12
タイトル バイオ|AIが加速する医薬品開発と主なバイオ医薬品企業のAI活用 タグ
日付
2023/09/22
タイトル バイオ|AIの活用が加速させる新薬開発~迅速なタンパク質の構造解明がもたらす効果 タグ
日付
2023/08/23
タイトル バイオ|バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの総額は2021年、2022年を超える タグ
日付
2023/08/02
タイトル バイオ|2023年4-6月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/07/05
タイトル 最新科学がもたらすガン治療の進歩 タグ
日付
2023/05/29
タイトル バイオ|景気の先行き懸念が高まる中、バイオ医薬品株式が注目される可能性 タグ
日付
2023/05/01
タイトル バイオ|2023年1-3月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント タグ
日付
2023/04/19
タイトル バイオ|米バイオ医薬品企業プロメテウス・バイオサイエンシズを米医薬品大手メルクが108億米ドルで買収 タグ
日付
2023/03/16
タイトル バイオ|米バイオ医薬品企業シージェンを米医薬品大手ファイザーが430億米ドルで買収 タグ
日付
2023/03/02
タイトル バイオ|肥満の解消に取り組む医薬品企業 タグ
日付
2023/02/03
タイトル バイオ|2022年10-12月に相対的に好調なパフォーマンスとなったピクテ・バイオ医薬品マザーファンド タグ
日付
2023/01/18
タイトル バイオ|パフォーマンスの改善が続くバイオ医薬品株式の注目ポイント タグ
日付
2022/09/30
タイトル バイオ|バイオジェンがアルツハイマー病治療薬レカネマブ の良好な治験結果を発表、株価は大きく上昇 タグ
もっと見る