■ 1月の投資環境

1月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数（現地通貨ベース）で上昇しました。世界の株式市場は、月前半、12月の米ISM（米供給管理協会）非製造業景況指数が軟調であったことや、12月の米雇用統計で平均時給の上昇率が市場予想を下回ったことなどを受けて米国の利上げペース減速への期待が高まり上昇基調となりました。また中国のゼロコロナ政策解除による景気回復期待などもプラス要因となりました。月後半には、12月の米小売売上高や鉱工業生産などの経済指標が市場予想以上に悪化し景気後退懸念が強く意識される中、企業業績への懸念が高まり世界の株式市場は一時、下落する場面もありましたが、その後はテクノロジー株を中心に反発し、月を通せば上昇となりました。
業種別では、一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、情報技術などが大きく上昇しました。一方、ヘルスケア、公益事業などが下落しました。

水関連企業（現地通貨ベース）の株価は株式市場が上昇するなか、相対的に小幅な上昇率となりました。装置製造エンジニアリングセクターは最も上昇しました。ギーベリッツ、ファーガソン、プール、アドバンスト・ドレナージ・システムズは、住宅建設の底打ち期待を背景にいずれも堅調に推移しました。また、イボクア・ウォーター・テクノロジーズは、ザイレムが買収する意向を表明したことを受け上昇しました。上下水道ビジネスセクターは、ヴェオリア・エンバイロメント、セバーン・トレント、ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループが、物価や金利の上昇が穏やかとなったことを受け良好なパフォーマンスとなったことなどから、上昇しました。環境マネジメント・サービスセクターにおいては、ウェイスト・マネジメントとリパブリック・サービシーズが、リサイクル素材や再生可能エネルギークレジット価格の弱含みにより業績見通しの引き下げに直面する一方で、比較的高値で取引されていたため利益確定の売りにさらされたことなどから、僅かながら下落しました。

■ 今後の見通し

見通しについては、地政学リスクやインフレの高まりにより不透明感があり、世界各国の購買担当者景気指数（PMI）や企業の景況感がどのように影響を受けるのか不透明感が残ります。価格上昇圧力が持続するかどうかや、米国の連邦準備制度理事会（FRB）や欧州中央銀行（ECB）による利上げのタイミングや程度、また、それがどのように株式のバリュエーションに影響を及ぼすか等、見極める必要があると考えます。
水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。