Article Title
2024年の社債市場の見通し
2023/12/08

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

・債券利回りの上昇がピークアウトすることで、2024年は債券全体が株式よりも優れたリスク調整後のリターンを提供する可能性があると考えられます。
・社債市場においては、低格付けのハイ・イールド社債やバンクローン(レバレッジド・ローン)など、最もリスクの高い分野には亀裂が入りつつあると見られます。そのため、2024年は信用力の高い社債に優位性があると予想します。


Article Body Text

2023年は高リスクの社債投資が報われた年

米国および欧州の社債市場は、信用スプレッドの縮小と高水準の利回りを背景に、年初来でプラスのパフォーマンスを記録しました。また、国債利回りの上昇と強気な株式市場の推移を背景に、米国と欧州のハイ・イールド社債(HY社債)市場は投資適格社債(IG社債)市場をアウトパフォームしました。ICEバンク・オブ・アメリカ(ICE BofA)の米国と欧州のHY社債指数は、構成銘柄の平均デュレーションがIG社債指数より短く、クーポンがIG社債指数より高かったため、金利が上昇する場面において相対的に底堅く推移しました。米国HY社債指数は2023年11月27日現在、年初来で8.5%上昇しました。欧州の社債市場では、欧州HY社債指数が7.3%上昇し、欧州IG社債指数の上昇率の4.4%を上回りました。

しかし、低格付けのHY社債やレバレッジド・ローンなど、最もリスクの高い社債の分野には亀裂が入りつつあると見られます。金利上昇に伴い資金調達コストが上昇したことで、特に変動金利が適用されるレバレッジド・ローンにおいてデフォルト率が急上昇しています。

資金調達コストが高水準となったことに伴い、借り換えを先延ばしにするなどの対応をとる企業が増えており、HY社債の発行額は例年より減少しています。その結果、今年に入ってHY社債指数の構成銘柄の平均デュレーションは、米国HY社債指数で4.0年から3.5年に、欧州HY社債指数では3.1年から2.8年に急低下しました。

2024年は信用力の高い社債に優位性があると予想

企業の資金調達コストは上昇傾向にあり、その傾向は特に投資適格の企業において顕著です。欧州IG社債指数構成銘柄のクーポンは、年初の平均1.7%から2.1%に上昇しました(2023年11月27日現在)。ただし、歴史的に見るとIG社債とHY社債の発行体にとって、資金調達コストは依然として低水準にあるといえます。今後数年のうちに社債が満期日を迎えることで新たな資金調達(借り換え)が必要となる発行体はIG社債の発行体のほうが多いと予想されますが、IG社債の発行体は相対的に低いコストで資金調達が可能であると考えられます。一方で、HY社債の発行体は借り換えの緊急性が相対的に低いものの、資金調達コストの面ではより大きな困難に直面する可能性があります。

詳細は以下をご覧ください。

2023年12月6日発行 グローバル・マーケット・ウォッチ 「2024年の社債市場の見通し

安定した事業基盤を持つ公益企業の債券に投資


ピクテ・グローバル・インカム債券ファンド(隔月決算型)/(1年決算型)は、世界の公益企業が発行する債券を投資対象としています。公益企業には電力・ガス・水道・電話・通信・運輸・廃棄物処理・石油供給などの企業が含まれますが、いずれも日常生活に不可欠な公益サービスを提供しているため、短期的な景気変動の影響を受けにくい安定した事業基盤を持っているといえます。

景気後退に伴う財務状況の著しい悪化などから、債券の発行体が利息や償還金をあらかじめ定めた条件で支払えなくなることを債務不履行(デフォルト)と言い、このデフォルトに関するリスクが顕在化した場合、その債券の投資家は債券価格の下落による損失を被る可能性があります。債券の発行体がデフォルトすることなく債務を履行する確実性を信用力といいますが、業績の安定性の高さは発行体の財務状況の安定性にも寄与し、信用力評価にも影響を与えると考えられるため、債券投資における重要なポイントであるといえます注1

注1:公益企業であれば必ずしも信用力が高いとは限らず、信用力が相対的に劣ると評価される公益企業も存在します。一般的に、発行体の信用力の評価は民間の格付機関が付与する信用格付によって表されますが、信用力の評価には発行体の業績以外にも資本構成や企業統治など多様な項目の評価が考慮されます。また、信用力評価は発行体が債務不履行に陥る可能性がないことを保証するものではありません。信用力評価が高い債券の利回りは低く、信用力評価が低い債券の利回りは高い傾向にあります。

(ご参考)公益企業の事業基盤のイメージ




 


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・グローバル・インカム債券ファンド(隔月決算型)

ピクテ・グローバル・インカム債券ファンド(1年決算型)



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2024/11/26
タイトル 【動画】グロイン債券|大統領選挙後の債券市場の展望<石原 豪> タグ
日付
2024/08/30
タイトル グロイン債券|主要先進国の金利と世界公益債券の見通し タグ
日付
2024/08/09
タイトル グロイン債券|円高局面における世界公益債券のリターン タグ
日付
2024/07/17
タイトル グロイン債券|インフレ時代の資産運用の選択肢としての世界公益債券 タグ
日付
2024/05/27
タイトル 【動画】グロイン債券|金利上昇下においても安定的な運用成果<石原 豪> タグ
日付
2024/04/19
タイトル グロイン債券|年初来の基準価額の推移と変動要因 (2024年1月4日~2024年3月29日) タグ
日付
2024/04/05
タイトル グロイン債券|利回りの上昇が生み出す債券への投資機会 タグ
日付
2024/03/07
タイトル グロイン債券|デュレーションを長期化する タグ
日付
2024/02/28
タイトル 【動画】グロイン債券|デフォルト率予測が緩やかな上昇傾向 公益債券の安定性に注目 <石原 豪> タグ
日付
2024/02/21
タイトル グロイン債券|ポートフォリオの状況(2024年1月末時点) タグ
日付
2024/01/25
タイトル グロイン債券|設定来の基準価額の推移と変動要因 (2023年8月31日~2024年1月19日) タグ
日付
2024/01/18
タイトル グロイン債券|ポートフォリオの状況(2023年12月末時点) タグ
日付
2023/12/18
タイトル グロイン債券|ポートフォリオの状況(2023年11月末時点) タグ
日付
2023/11/22
タイトル グロイン債券|ポートフォリオの状況(2023年10月末時点) タグ
日付
2023/10/18
タイトル グロイン債券|運用開始後のポートフォリオの状況 タグ
日付
2023/09/25
タイトル グロイン債券|長期運用の投資対象としたい世界公益債券 タグ
日付
2023/09/20
タイトル グロイン債券|主要国の利上げ終了後の世界公益債券 タグ
日付
2023/09/01
タイトル グロイン債券|世界公益債券の投資環境と運用方針 タグ
日付
2023/08/10
タイトル グロイン債券|円高局面における世界公益社債のリターン タグ
もっと見る