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- セキュリティ|トランプ関税の直接的な影響は限定的
●米トランプ大統領が、全世界からの輸入品への関税引き上げを発表。世界的な貿易戦争に発展するとの懸念や世界経済へのマイナスのインパクトに対する懸念の高まりを受けて、世界的に大幅株安となる
●こうした流れのなか、セキュリティ関連企業の株価も下落。ただし、トランプ関税の直接的な影響は限定的とみられる
●当面は大きな値動きに警戒が必要。引き続き、幅広い分野の、良好なファンダメンタルズを有するセキュリティ関連企業に分散投資を行う方針
トランプ関税ショックを受けて、世界的に大幅株安
2025年4月2日(現地時間)、米トランプ大統領が、全世界からの輸入品に対する関税を引き上げると発表したことを受けて、海外の製造業者にサプライチェーン(供給網)を依存している米国企業の業績悪化懸念や、消費者心理を冷え込ませるとみられることなどから、米国景気に対する悲観的な見方が強まりました。また、米国へ製品を輸出している海外企業の業績や世界経済に対する懸念も高まりました。こうしたことから、その後の世界の株式市場は、大幅な下落局面を迎えています。
この市場の流れを受けて、当ファンドの投資先であるセキュリティ関連企業の株価も軒並み下落しました。4月2日終値から、4日までの2日間の主な銘柄の下落率をみると、半導体検査装置を手がけるKLA(米国)が約-16%、サイバーセキュリティのフォーティネット(米国)が約-14%、クラウドストライク・ホールディングス(米国)が約-13%などとなりました。
※主な銘柄は、2024年2月末時点の当ファンドの上位10銘柄、騰落率は、現地通貨ベース
トランプ関税による、セキュリティ関連企業への直接的な影響は限定的とみる
米トランプ大統領が表明した今回の関税政策のうち、米国との貿易赤字が大きい国に対する相互関税において、半導体と医薬品分野などいくつかの分野は対象外とされました。また、ソフトウェアについては関税による直接的な影響はありません。
こうした観点から、当ファンドの投資先であるセキュリティ関連企業群をみると、関税による直接的な影響は限定的であると考えられます。
セキュリティ関連サービス分野
データセンター運営企業や害虫駆除や衛生管理サービス提供企業、決済関連サービス企業など、多岐にわたる分野の安全・安心にかかわるサービスを提供する企業については、自国市場(その大部分は米国市場)を中心に事業展開しています。また、海外市場においては、概ね現地でオペレーションが執行されています。
ITセキュリティ製品分野のうち、サイバーセキュリティ企業
サイバーセキュリティ企業は、ソフトウェア関連であることから関税による直接的な影響はないとみられます。サイバーセキュリティは各国政府や企業にとって、引き続き重要な課題であることには変わりません。
セキュリティ関連製品分野のうち、ライフサイエンス関連企業
ライフサイエンス関連企業については、関税引き上げのインパクトがほぼないか10~20%の関税率の国が主な生産拠点となっています。
当ファンドの2025年2月末時点のポートフォリオにおいて、上記のように関税による直接的な影響はない、もしくは軽微と考えられる企業の組入比率は、約6割程度となっています。
ただし、警戒する分野、動きも
当ファンドでは、AI(人工知能)や自動車向けなど半導体製造企業や、半導体検査装置企業、電子設計自動化(EDA)ツール提供企業など、広い意味での半導体関連分野にも投資を行っています。このうち、EDAツール提供企業については、ソフトウェア関連であるため関税による直接的な影響はないとみられますが、半導体検査装置については関税対象となります。また、今回発表された相互関税のなかで、対象外となった半導体についても、最終需要先である自動車や電子機器などが、関税によるマイナスを受けて需要が減少する場合には、間接的にマイナスの影響を受けることが懸念されます。
さらに、サイバーセキュリティ企業やライフサイエンス関連企業については、米国政府の歳出削減の動きからマイナスの影響を受ける可能性もあり、今後の動向には十分注視していく必要があると考えます。
当面は、引き続き大きな値動きに警戒
当面は、米トランプ大統領の関税政策の動向や世界的な貿易戦争に発展する可能性、米国をはじめ世界経済に対するマイナスの影響を巡るさまざまな見方を受けて、世界の株式市場や為替市場は大きく変動する可能性があると警戒しています。
当ファンドの運用に際しては引き続き、幅広い分野における「セキュリティ」に関する長期的なトレンドを考慮し、良好なファンダメンタルズ(基礎的条件)を有するセキュリティ関連企業を十分に選別した上で、分散投資を行っていく方針に変わりがありません。足元では、関税と景気減速によるマイナスの影響が大きいとみられる輸送関連やインフラ関連のセキュリティ関連機器製造企業の組入比率などを引き下げています。
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