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インデックス運用とアクティブ運用のちがい( 2 )
2016/06/08

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概要

・インデックス運用で、指数と全く同じポートフォリオ構成にしても指数の動きとは一致しない
・指数には価格指数とトータル・リターン指数がある
・指数と同じ構成のポートフォリオを組むと、トータル・リターン指数からコスト分を差し引いたリターンとなる




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指数と全く同じポートフォリオ構成にしても指数の動きとは一致しない

前回、インデックス運用はパッシブ運用の代表例で、基本的な考え⽅としては特定の指数の構成と同じポートフォリオを組み、その指数に連動する投資成果を目指すもの、とご紹介しました。

ところが実際の運用では、指数と全く同じ構成のポートフォリオを組んでも、その投資成果は指数とは一致しません。なぜならば、ファンドの運営にはコストがかかるからです。投資信託のコストについては別の機会に詳しくご説明しますが、大きく分けて2つあり、1つはファンドの運営に携わる委託会社(運用会社)・受託会社・販売会社に⽀払われる「信託報酬」や販売会社に⽀払われる「販売⼿数料」で、「費用」と「報酬」の性格を持つものです。もう1つは、純粋に「費用」という性格のもので、株式などの取引を⾏う⼿数料、債券取引や外国為替取引を⾏うコスト*、送⾦費用、税⾦、投資証券の保管コスト、ファンドの監査費用、などです。指数にはこれらのコストが含まれないため、指数と全く同じ構成のポートフォリオにしても、これら2つのコスト分だけ指数に負けていくことになります。

*債券取引や外国為替取引のコストは取引価格に含まれるため「損益」と認識されてしまいますが「費用」の性格を持つものと⾔えます。

価格指数とトータル・リターン指数

一⽅、指数には「価格指数」と「トータル・リターン指数」の2種類があります。「価格指数」は純粋に価格の推移だけを表すもので、⽇経平均株価やTOPIX、ダウ工業株30種平均、S&P500などがこれに該当します。

「トータル・リターン指数」は価格の動きだけでなく、株式の配当収⼊や債券のクーポン収⼊などのインカムゲインを含めたトータル・リターンを指数化したものです。⽇経平均株価やTOPIXにもインカムゲインを含めたトータル・リターン指数(配当込み指数)があります。

⽇経平均株価と全く同じ構成のポートフォリオを組むと、ファンドのリターンは理論上、「⽇経平均トータルリターン・インデックス」という配当込み指数から、前述の2つのコストを差し引いたリターンとなります。

一⽅、価格指数である⽇経平均株価に対しては、配当収益とその再投資効果分だけプラスとなり、コスト分だけマイナスとなります。配当のプラス分が、コストのマイナス分より大きければ、ファンドのリターンは価格指数である⽇経平均株価を上回る投資成果となり、マイナス分がプラス分より大きければ⽇経平均株価を下回る投資成果となります。



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