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- 2025年の展望|好転するとみる4つの理由
●プレミアム・ブランド企業は強力なブランド力を有し、一般的な消費関連とは一線を画す
●2024年は、消費者心理の冷え込みなどがプレミアム・ブランド企業の株価の重荷に
●2025年は、消費者心理の改善や、魅力的なバリュエーション水準などから、好転に期待
プレミアム・ブランド企業|一般的な消費関連企業とは一線を画す存在
当ファンドの投資先であるプレミアム・ブランド企業は、消費関連の商品・サービスを提供する企業ですが、流行を創造するデザインや最高品質などに基づくブランド力により、消費者に幸福感、優越感などの感情をもたらすことができる商品・サービスを提供している企業であり、一般的な消費関連企業とは一線を画す存在であると考えられます。また、長い歴史を持つプレミアム・ブランドあるいはプレミアム・ブランド企業も多く、地域的には欧州企業が多いことも特徴です。
欧州企業が多いものの、プレミアム・ブランド企業が提供する商品・サービスは、世界中の消費者を魅了しており、市場は世界に広がっています。
【2024年の振り返りと、2025年の展望 | 好転するとみる4つの理由】
■向かい風となる事象が多かった2024年
2024年は、ウクライナ情勢や中東情勢の激化といった地政学リスク、中国経済に対する懸念のほか、フランスやドイツなどの欧州における政局危機や、米国の大統領選挙といった政治的な不確実性の存在を受けて、世界経済の先行き不透明感が高まりました。こうした環境下、世界的なインフレや高金利などを受けて、既に冷え込んでいた消費者心理は、回復に向かうことはありませんでした。
プレミアム・ブランド企業が提供する商品・サービスは、一般的な消費財とは一線を画し、顧客も景気変動に比較的左右されにくい富裕層や熱烈なファンが相対的に多いことから、景気サイクルを通じて底堅い需要が期待できると考えられます。しかし、消費関連であることにはかわりなく、景気減速・後退の影響を完全に免れることはできません。
また、プレミアム・ブランド企業は、コロナ・ショック直後から数年間は力強い「リベンジ消費」に支えられ、平常時を大きく上回る高い売上・利益成長率を示してきました。経済・社会活動の正常化が進むなかで、平常時の成長ペースへ収れんしていくことは、前もって予想できたことでした。しかし、多くの投資家は、成長ペースの鈍化に対して、失望感を抱いた可能性があります。
消費者心理が回復に向かわなかったこと、そして、プレミアム・ブランド企業に対する投資家の成長期待が高いままであったことなどが、2024年のプレミアム・ブランド企業の株価の重荷となったと考えられます。
2025年の展望|好転するとみる4つの理由
2025年については、世界的に消費者心理が回復に向かうと期待できる好材料がいくつかあると考えています。消費者心理が回復に向かえば、プレミアム・ブランド企業が提供する商品・サービスの需要増加や株価上昇の追い風になると予想されます。
また、相対的なバリュエーション(投資価値評価)面での魅力や、次なる成長ステージへの布石を打つ動きなども、プレミアム・ブランド企業の株価の下支え材料になると期待しています。
① 中国の景気回復・消費者心理の好転への期待
これまでに中国の消費者は、プレミアム・ブランド企業が提供する商品やサービスに対して旺盛な需要を示してきました。また、多くのプレミアム・ブランド企業は、今後も拡大が期待できる重要な市場の1つと認識し、事業を展開しています。しかし、足元では景気低迷を受けて、消費者心理は冷え込んだままとなっています。
最近では、中国当局が金融緩和や財政拡大などによる景気刺激策により、景気を下支えする姿勢を明らかにしていることもあり、いずれかの時点で、中国の景気は回復し、消費者心理も好転すると予想され、プレミアム・ブランド企業はその恩恵を享受できると期待されます。
➁米国の堅調な個人消費への期待
米国では、インフレが落ち着きつつあることから、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めサイクルが転換を迎え、2024年9月より3回の利下げが実施されています。もちろん、今後のインフレおよび金融政策の動向については注視していく必要がありますが、現時点では、インフレの鎮静化や利下げは、消費者心理の改善につながると考えられます。
また、次期大統領のトランプ氏は減税や規制緩和を公約として掲げており、企業景況感の改善にもつながると考えられます。
企業景況感や消費者心理の改善によって、米国の堅調な個人消費動向が続けば、プレミアム・ブランド企業の業績および株価にとってプラス材料となることが期待されます。
➂相対的なバリュエーション(投資価値評価)面での魅力
プレミアム・ブランド企業は、相対的に高い成長が期待されています。そのため、株価収益率(PER)など株式のバリュエーション(投資価値評価)水準は、先進国株式に比べて高い水準で推移する傾向がみられます。2024年11月末時点の当ファンドの組入銘柄の予想PERは23.7倍と、先進国株式(同18.3倍)に比べて高い水準です。
※文章中の予想PERは、2024年11月末時点でみた来年度(主に2025年)の予想PER(ファクトセット集計アナリスト予想値ベース)。また、当ファンドの組入銘柄の予想PERは、2024年11月末時点の組入銘柄39銘柄を組入比率で加重平均して算出。
ただし、足元ではプレミアム・ブランド企業の予想PERの相対的な割高感は後退しつつあり、バリュエーション面での魅力が高まっている可能性があるとみられます。当ファンドの組入銘柄の予想PERを先進国株式の予想PERで割った相対予想PERの推移をみると、2023年年初以降、当ファンドの組入銘柄の予想PERに相対的な魅力が高まりつつあることが示唆されています。
④次なる成長ステージへの布石
2024年半ばから、アクティビスト(いわゆる「物言う投資家」。株式を一定程度取得した上で、投資先企業の経営陣に積極的に提言をおこない、企業価値の向上を目指す)が、業績が低迷するプレミアム・ブランド企業の株式を取得するという動きがみられました。
アクティビストの経営への関与は、現時点では困難に見舞われている企業でも、成長軌道に回帰できるポテンシャルがあると評価されていることの証左であると考えられます。ブランド力の強化や事業再編を進め、業績を改善させることには時間がかかるものですが、アクティビストが経営に関与することで、成長軌道への回帰を後押しするものと期待されます。
また、収益・財務基盤のしっかりしたプレミアム・ブランド企業が、今後の成長に向けて他のプレミアム・ブランド企業を買収(M&A)する動きが再び活発になる可能性もあるとみられます。
事業再編やM&Aなどは、次なる成長ステージへの布石であり、こうした動きもプレミアム・ブランド企業の株価にとってポジティブな材料になると考えられます。
■中長期的な見通し|プレミアム・ブランドへの熱望は、時を超えて存在
前述の通り、短期的には、中国の景気回復や米国の堅調な個人消費が続くことなどがプレミアム・ブランド企業の業績にとってプラス材料になると考えられますが、今後も中長期的に、プレミアム・ブランド企業が提供する商品・サービスに対する需要は拡大していくと予想しています。
長い歴史を持つプレミアム・ブランド企業が多いことは、いつの時代にも消費者のプレミアム・ブランドに対する熱望が存在していたことを示すものでもあると考えられます。
今後も、①アジア新興国の人々の購買力向上、➁固定客となりうる富裕層の存在、➂存在感を増す女性の消費パワーなどを受けて、プレミアム・ブランドを熱望する顧客層はさらに拡大し、プレミアム・ブランド企業の中長期的な成長を後押しすると期待されます。
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