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トランプ関税ショックを乗り越えるカギ、「価格決定力」
2025/04/10

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概要


●トランプ関税を受けて株式市場は大きく変動。プレミアム・ブランド企業の株価も下落
●過去の実績では、プレミアム・ブランド企業の株価は世界的な危機後に、回復力を示す
●トランプ関税の影響の一部は、ブランド力を背景とした価格決定力が吸収するとみる



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過去の世界的な危機後は、回復力を示してきたプレミアム・ブランド企業の株価

トランプ関税やそれによる世界経済へのマイナスの影響に対する懸念が高まるなか、世界の株式市場は大きく変動しています。こうした市場全体の流れを受けて、当ファンドの投資先であるプレミアム・ブランド企業の株価は大きく下落しました。この背景には、プレミアム・ブランド企業は、景気や消費者心理の影響を受けやすい消費関連であること、さらには輸出企業が多く、海外の製造業者にサプライチェーン(供給網)を依存している企業もあることなどから、マイナスの影響を受けるとの懸念が高まったことなどがあります。なお、2025年4月9日(現地時間)にトランプ米大統領が、米国に報復措置を講じていない国・地域に対しては高水準の相互関税発動を90日間停止すると発表し、懸念はいったん後退しました。

当ファンドの設定日(2006年6月30日)以降、プレミアム・ブランド企業は、何度かの世界的危機に直面し、株価が大きく下落することもありました。しかし、その後は、良好な企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)や中長期的な成長性が再評価されて株価は大きく反発しました。こうしたことから、当ファンドの設定来パフォーマンス(分配金再投資後基準価額)は、中長期的にみれば上昇トレンドが続きました。

トランプ関税の影響を免れることはできないが、ブランド力を背景とした価格決定力などにより、マイナスの影響の一部は吸収可能とみる

前述の通り、プレミアム・ブランド企業の多くは輸出企業であり、トランプ関税や世界的な貿易戦争へ発展した場合、その影響を免れることはできません。しかし、プレミアム・ブランド企業は、一般的な消費関連企業に比べると、ブランド力を背景とした価格決定力や、高い利益率、熱狂的なファンの存在(顧客ロイヤリティが高い)などの優位性があり、マイナスの影響を比較的うまく吸収していけるものとみています。

高級ブランド企業は、ポートフォリオの約3割を占める中核的な存在であり、そのうちの多くは欧州企業です。米トランプ政権が2025年4月2日に発表した関税措置では、欧州連合(EU)からの輸入品に20%、スイスは同31%、英国は同10%とされています。高級ブランド企業が展開するバッグなどの皮革製品や、既製服、アクセサリーなどのほとんどは欧州内で製造されており、時計や宝飾品などはスイスで製造されています。このため、トランプ関税の課税対象となります。

ただし、高級ブランド企業には、プレミアム・ブランド企業群の中でも特に強力なブランド力があり、それを背景とした価格決定力があります。特に、エルメス・インターナショナル(フランス)やフェラーリ(イタリア)などは、関税引き上げ分を最終価格に転嫁することが比較的容易にできると考えられます。また、高級ブランド企業の中には、米国市場への依存度が比較的小さい企業もあります(例えば、モンクレール(イタリア)、プラダ(イタリア)など)。いずれにしろ、多くの高級ブランド企業については、価格決定力や高利益率などによって、関税引き上げコストを吸収することは可能性であるとみています。

一方、スポーツ用品(シューズやアパレルなど)を手掛けるスポーツ関連企業は、トランプ関税の影響をより大きく受ける可能性があると懸念されます。これらの企業のサプライチェーン(供給網)は、主に中国や東南アジアなどの製造業者に依存しています。また、高級ブランド企業に比べると、価格決定力は弱く、利益率は低くなります。また、顧客層の裾野が広いため、需要は景気変動の影響をより大きく受けやすい傾向があります。

足元のポートフォリオについて|トランプ関税の影響を考慮しつつも、大きな変更はない

当ファンドの運用に際しては、消費者の「羨望の的」となるような強力で魅力的なブランド力を確立している企業の中から銘柄を厳選して投資を行っていく方針に変わりがありません。そのなかでも足元では特に、①良好な業績見通し(不確実要素が少ない)が立てられる企業、➁関税の直接的な影響は限定的である企業、➂中国市場の回復により恩恵を大きく受ける企業、などに特に注目していきます(詳細は次ページの「足元の銘柄選別のポイント」参照)。

一方、関税の影響が大きいとみられるスポーツ関連企業については、より慎重な見方をせざるをえないと考えています。また、同じく関税の影響が大きいとみられる高級酒企業については、需要回復の遅れなどから、これまでにも大幅に組入比率を引き下げてきており、今後も組入比率は低位にとどめる方針です。


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
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投資リスク、手続き・手数料等については以下のファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

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