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- コロナ禍でも新薬の開発は順調
2020年の米国の新薬承認件数は53件と高水準を維持し、バイオ医薬品株式にとってプラス要因となっています。一方、個別銘柄では良好な結果を発表する企業もあれば、不調な結果に終わる企業もあり、株価の変動が大きくなる傾向がある点には注意が必要です。そのためバイオ医薬品株式への投資においては分散投資をお勧めします。
2020年の米国の新薬承認件数は53件と高水準を維持
バイオ医薬品株式の主な上昇要因のひとつとして「新薬の開発」があります。
「新薬の開発」動向をはかる上でひとつの指標といえる米国の新薬承認件数は、近年、高水準で推移しています(図表1参照)。
2020年についても、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大という厳しい環境下にありながらも、結果としては米国の新薬承認件数は53件となり、2年ぶりに50件を超える高水準となりました。
図表1:米国の新薬承認件数の推移
年次、期間:2002年~2020年
出所:米食品医薬品局(FDA)のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
新薬開発に関するポジティブなニュースで株価は上昇
新薬開発は基礎研究、応用研究、臨床試験などの段階を踏んですすめられ最終的な承認まで一般的には10年以上の期間が必要です。開発期間中に医薬品企業は、治験結果など新薬の開発動向についての途中結果を発表しますが、それが良好な内容だった場合には株価の上昇につながります。
下のグラフは米国のバイオ医薬品企業フェイト・セラピューティクスの株価推移ですが、2020年12月7日に開発中の新薬について良好な治験結果を発表したことを受けて同社の株価は大きく上昇しました(図表2参照)。
図表2:フェイト・セラピューティクスの株価推移
日次、期間:2020年9月30日~2020年12月31日
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
一方、新薬の開発動向についてネガティブなニュースが出た場合には株価は大きく下落することになります。2020年10月に米国の大手バイオ医薬品企業バーテックス・ファーマシューティカルズ(米国)が、安全性への懸念から治験を実施していた新薬候補の開発中止を発表した際には株価は1日で20%超下落しました(図表3参照)。
図表3:バーテックス・ファーマシューティカルズの株価推移
日次、期間:2020年8月31日~2020年11月30日
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
バイオ医薬品株式への投資は分散投資がお勧め
新薬承認が高水準で推移していということの裏側には、良好な治験結果など開発状況についてポジティブなニュースが増えているということであり、このことは個別銘柄の株価上昇につながり、ひいてはバイオ医薬品業界全体にとってプラスに働いているといえます。
一方で、新薬が最終的に承認されるまでには長い時間がかかり、基礎研究から応用研究、臨床試験へと新薬開発のステップを順調に進むバイオ医薬品企業もあれば、ステップをうまく進めないバイオ医薬品企業もあり、どの企業に投資するかの判断には、金融の知識以外にも、医学や薬学などの高度な専門的な知識も求められます。
以上のことからバイオ医薬品株式への投資にあたっては投資信託などで複数の銘柄に分散投資してリスクを抑えながら、長期的なバイオ医薬品業界全体の成長を享受することをお勧めします。
個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。
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