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2020年11月の基準価額動向と運用方針
2020/12/24

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概要

2020年11月のノアリザーブ1年の基準価額は上昇しました。新型コロナウイルスのワクチン開発の進展を受けて、リスク資産への投資が回復し株式市場は大きく上昇しました。一方、金は軟調な動きとなりました。資産配分は、株式や債券の組入れを引き上げ、金やキャッシュなどの組入れを引き下げました。



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2020年11月の基準価額は下落

2020年11月30日のノアリザーブ1年の基準価額は、前月末比で+309円の11,993円となりました。同期間の主な変動要因は株式が+379円、債券が+26円、金が-74円、為替が-8円でした。基準価額は前月末比+2.64%の上昇となっています(図表①参照)。なお、円資産の比率は、前月末より低下し61.3%となりました。

運用方針:株式や債券を引き上げ、金やキャッシュなどを削減

当月の投資行動は、株式や債券の組入れを引き上げ、金やキャッシュなどの組入れを削減しました。株式部分では新型コロナウイルスワクチンの早期普及観測が高まる中で世界経済の回復が加速する可能性を考慮し、ヘルス関連株式やスイス株式、世界生活必需品関連株式など、ディフェンシブ性の高い銘柄の組み入れを大幅に引き下げました。一方で、景気回復局面で値上がりしやすい世界バリュー株式を新たに組み入れた他、中国経済が正常化に向けて動く中で世界貿易の回復も期待されることなどから、中国株式や新興国株式を買い増ししました。その他、長期的な成長テーマを分散する為、テーマ戦略株式に新たに投資するなどしました。債券部分では、景気回復期待などから米国超長期国債を全部売却し、金利感応度を抑えた他、インフレの昂進リスクに備えて世界インフレ連動債を追加で購入しました。また、ドル安の恩恵を受けやすい新興国米ドル建て国債や、相対的に高い利回りや分散効果が期待される中国人民元建て債券を購入するなどしました。

ファンドのリスク(価格変動)は新型コロナウイルス感染拡大前よりも高い水準

ノアリザーブの設定来のリスクは、株式等と比較すると相対的に低位に推移してきました。当ファンドのリスク(価格変動)水準は、新型コロナウイルスの影響で金融市場の価格変動が大きくなった3月よりも大幅に低下しましたが、新型コロナウイルス感染拡大前よりも小幅に高い水準での推移となっています。(図表②参照)

ノアリザーブ1年と主要資産の騰落率

2020年11月は、世界の株式市場が大幅に上昇しました。また世界国債とドル建て新興国国債も上昇しました。一方、金は下落率が大きくなりました。

このような状況下、ノアリザーブ1年の基準価額は上昇しました。(図表③参照)


新型コロナウイルスのワクチン開発への期待が高まった他、米大統領選挙が終了し不透明感が後退したことなどが株式市場にとってプラスとなった一方、金にとってはマイナスとなりました。

今後の運用方針~ポートフォリオの景気感応度を高める方針

今後の運用方針については、短期的な割高感を警戒しながらも、ポートフォリオの景気感応度を高めていく方針です。

製造業主導で景気回復局面入りの兆候が見られるほか、新型コロナウイルスワクチンの早期普及観測も高まっており、世界経済の潮目は大きく変化した可能性があります。ただし、米大統領選挙までに積み上がっていた待機資金が一気に株式市場に流入したこともあり、短期的には相場に過熱感が見られます。このため株式部分では割安・景気敏感株を増やすなど、積極的な姿勢を強めるものの、株式全体の比率を高めるのは相場の調整を待つのが得策と考えます。債券は米連邦準備制度理事会(FRB)やECBが緩和姿勢を維持すると見られるため、長期金利の上昇は限定的との見方に変わりありません。しかし、上記のように景気回復シナリオが明確になるにつれて、早ければ2021年中にも長期金利の上昇圧力が強まる可能性があります。このため、物価連動国債を多めに保有するなど、金利上昇リスクを念頭に入れたポートフォリオの運営を行う方針です。一方、金については組入れ比率をさらに引き下げることも検討します。

当面の変動には注意が必要

ノアリザーブ1年は、市場環境の見通しに変化がある場合、「円安、インフレに備える局面」、「円高に備える局面」、「金利上昇に備える局面」など市場の様々な局面に応じて資産配分の変更を行います。


新型コロナウイルスの感染動向や世界経済などについて依然として先行きに不透明感が見られる中、株式や為替市場の変動率が大きくなる可能性があります。市場の動きに配慮しつつ、引き続きバランスの取れたファンド運営を心がける方針です。

株式:景気敏感株の上昇続く


【アジア新興国に加え、日本の株式市場に特に明るい見通し】

足元では、景気循環の増幅効果を重視しており、グローバル経済の成長が加速する局面で上昇が見込まれる新興国に加え、日本市場の選好を継続します。また、アジアの新興国市場については特に明るい見通しです。世界の他地域よりも相対的に経済の回復が進行していることに加えて、アジアおよび環太平洋地域の15ヵ国が加盟する「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)が合意に達したことで、世界経済に対する同域内経済の影響力拡大や貿易および投資の拡大のきっかけになる可能性があると考えています。従って、新興国株式及び日本株式を引き続き選好します。

【業種配分についてもシクリカルセクターを選好】

ピクテでは、2021年に世界株式は25%程度の増益を予想しており、一年を通じて設備投資が拡大すると考えます。これを背景に、企業設備投資と株価パフォーマンスとの極めて強い相関が認められる設備投資敏感セクターである資本財・サービスセクターが景気回復の恩恵を受けると考えます。加えて、一貫して堅調な中国の経済成長が素材セクターを支える要因になると考えています。また、個人消費の回復が一般消費財・サービスセクターのサポート要因になると考えています。金融セクターについても強気な姿勢です。2018年年初以降、MSCI世界株価指数を30%前後下回って推移してきており、ピクテのモデルでも、過去20年平均との比較で、割安なセクターのひとつです。

【米国株式の割高感を警戒】

米国株式に関しては、これまで以上に慎重な姿勢をとっています。12ヶ月先の利益予想を用いて算出した足元のPERは約20倍と歴史的に見て割高な水準にあることから、利益成長のトレンド(傾向)が継続し、かつ利益率が過去平均を上回る状態も同様に継続し、さらに米国10年国債の利回りが低水準に留まるようなことにならない限り、現行の株価水準を維持することは困難だと考えるからです。また、米国株式時価総額の対GDP比等、長期のバリュエーション(投資価値評価)指標の一部が高止まりしている状況も懸念されます。

債券・為替:金は上げ一服、今後は引き続き新興国債券に注目

【米ドル安の進行や世界債券の実質利回り上昇を受け、金については見通しを引下げ】

米ドルは、足元の下落局面を経て、6ヵ月前との比較では割高感が薄れていると考え、短期的には比較的安定した推移が見込まれます。ドル安が進行したことに加え、各国中銀の流動性供給のペースが鈍化したことやグローバル債券の実質利回りの上昇など、いずれも金の逆風になると考え、金は中立とみています。

【引き続き新興国債券に投資妙味】

世界経済がコロナ危機からの回復基調にある局面において新興国経済が先進国経済よりも堅調に推移していることや、先進国と新興国間の金利差を勘案し、引き続き現地通貨建て新興国債券を選好します。なかでも、中国債券は、米国国債との利回り差が過去最高水準に達していて、とりわけ魅力的だと考えます。

【先進国債券では、米国国債と米国投資適格社債を選好】

先進国の債券市場において魅力的な水準の利回りを提供している米国国債と米国投資適格債を選好します。

【米国ハイイールド債に対しては引き続き慎重な姿勢を保持】

景気回復の初期段階では、通常、株式に対してハイイールド債は投資妙味が増し、他セクターを上回るリターンをあげる傾向が見られますが、足元の局面では、バリュエーション面での割高感が強く、魅力が著しく減じられていると考えます。また、米国の現政権が、新型コロナウイルスの大流行直後に導入した緊急資金供給策の一部打ち切りを決定したことで、これまで高いバリュエーションを支えていた要因が失われたことにも注意が必要です。



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