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分散投資実践編① ~長期資産運用の手段としての分散投資~
2023/03/30

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概要

POINT
●長期運用を行う中で、時折直面する暴虐的なマーケットの下落を回避することは非常に難しいです。
●長期投資を続けていくためには、ポートフォリオ全体の価格下落をいかに抑えていくかがポイントであり、効果的な分散投資は重要と言えます。




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■長期資産運用と暴虐的なマーケットの下落

投資家が長期で資産運用を行う場合、マーケットが下落するような局面に遭遇してしまうことは多々あります。そのような下落を予知し、上手く回避できれば良いですが、それは不可能に近いことです。したがって、長期で資産運用を行う場合は、分散投資を活用し、リスクを散らすことが重要と言えます。しかし、たとえ十分に分散化されたポートフォリオで運用していたとしても、暴虐的なマーケットの下落が生じた場合は、その影響を免れることは難しくなります。例えば2008年のリーマン・ショックでは、幅広い資産の価格が同時に下落したことで、分散投資によるポートフォリオの値動きを安定させる効果も低下しました。しかし、株式や金などの単一の資産へ集中投資を行っていた場合、更に大きな損失を被る可能性があったことが確認できます(図表1)。


図表1:リーマン・ショック時の主要資産と分散投資ポートフォリオの最大下落率
(日次、期間:2007年1月1日~2009年12月31日)

※米国株式:MSCI米国株価指数、米国国債:FTSE米国国債指数、金:金スポット価格、分散投資ポートフォリオ:米国株式35%+米国国債35%+金30%を日次でリバランスしたもの
※各資産の最大下落率は2007年1月1日~2009年12月31日の日次最高値からその後につけた日次最安値までの下落率
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ・ジャパン作成

■ポートフォリオ全体の価格下落をなるべく抑える

大幅な物価上昇や中央銀行による急激な金融引き締めなど 経済 ・ 金融環境が大きく変化する局面において 、 単一の資産による運用は大きな価格変動リスクを伴う可能性があります 。 長期の資産運用において保有資産が大きく下落してしまうと 、 回復に長い期間を要する可能性があるだけでなく 、 損失に耐え切れず資産を売却してしまい 、 資産運用そのものを諦めてしまいかねません 。
どの資産の価格が、 いつ大きく変動するかを正確に予測することは困難です 。 また前述した通り、 分散投資を行っていたとしても 、 マーケット全体を揺るがすような下落が生じた場合 、 その影響を完全に排除することもできません 。 しかし 効果的な分散投資を行っていれば 、 単一の資産のみを保有していた場合に比べて 、 資産全体の価格の下落を抑えることは可能となります 。
長期で資産運用を続けていくためには ポートフォリオ全体の価格下落をいかに抑えるかがポイントであり 、 効果的な分散投資を行うことは重要と考えます 。


図表2:米国株式と米国国債、金を組み合わせた分散投資ポートフォリオの推移
(日次、米ドルベース、期間: 1998 年 12 月 30 日~ 2023 年 2 月 28 日、 1998 年 12 月 30 日= 100 として指数化)

※米国株式: MSCI 米国株価指数、米国国債: FTSE 米国国債指数、金:金スポット価格
※米国株式35%+米国国債35%+金 30%は日次でリバランス
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ・ジャパン作成


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