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- 日本銀行と金融政策⑥~日本銀行の金融政策の変遷③~
現在につながる大規模な金融緩和は2010年10月に開始された「包括的な金融緩和政策」、2013年4月に開始された「異次元の金融緩和」を経て、継続されてきました。
■「包括的な金融緩和政策」
今回は前回に引き続き、日本銀行の金融政策の変遷についてご説明いたします。2006年3月の金融政策決定会合をもって、量的緩和が解除されると金融市場調節の操作目標は再び無担保コールレート(オーバーナイト物)となりました。その後、2010年10月に行われた会合において、景気の下振れリスクが大きくなっていること、それに伴う物価下落リスクがあるとし、より強力な緩和政策として「包括的な金融緩和政策」が実施されました。これにより、無担保コールレートを0~0.1%程度で推移するよう促すこと(利下げ)、かつこの実質ゼロ金利政策は「中長期的な物価安定の理解」に基づき物価安定が展望できるまで継続すること(時間軸の明確化)、バランスシート上に「資産買入等の基金」を創設することの3点が掲げられました(図表1)。
図表1:包括的な金融緩和政策(2010年10月~2013年4月)
■「異次元(量的・質的)の金融緩和」
2013年1月、日本銀行は政府と共同声明(「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について」)を公表し、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向けて政府と連携を強化して取り組むことを決定しました。これに伴い、「物価安定の目標」が導入され、その指標として消費者物価指数の前年比上昇率を2%と設定しました。さらに、黒田東彦氏(2023年4月退任)が2013年4月に新総裁に就任すると、同月の会合にて異次元(量的・質的)の金融緩和がスタートし、同時に金融市場調節の操作目標が無担保コールレートからマネタリーベースに変更されました(図表2)。
図表2:異次元の金融緩和(2013年4月~2024年3月)
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